RPA(Robotic Process Automation)は、定型的な作業を自動化することで業務の効率化を図る技術です。
多くの企業がRPA導入によるコスト削減や作業時間の短縮を実現しています。
しかし、すべての業務がRPAに適しているわけではありません。
不向きな業務にRPAを導入することで、RPAは意味ないというマイナスイメージを持つケースも少なくありません。
本記事では、RPA構築が向いていない業務について考察します。
高度な判断が必要な業務
RPAは基本的にルールベースで動作するため、人間のような複雑な判断や柔軟な対応が必要な業務には向いていません。
例えば、顧客からの問い合わせ対応や、状況に応じた交渉などは、RPAよりも他の専用ツールの導入や人の作業の効率化を考えるべきです。
頻繁に変更される業務

RPAは一度設定したルールに従って動作するため、業務プロセスが頻繁に変更される場合、都度RPAの設定を変更する必要があります。
このような状況では、RPAのメリットが薄れ、むしろ管理の手間が増える可能性があります。
導入費用は安かったのに、保守ができないために保守費用を払い続けて高くつくこともありますので、注意してください。
データが不整合や非構造化の業務
RPAは整理されたデータを扱うのに適しています。
一方で、不整合が多いデータや非構造化データを扱う業務では、RPAの有効性が低下します。
例えば、手書きの書類を読み取るような場合、OCR(光学文字認識)技術と組み合わせることで一定の効果は期待できますが、完璧な自動化は難しいでしょう。
創造性が求められる業務

デザインやコンテンツ制作など、創造性が求められる業務はRPAには不向きです。
これらの業務は人間特有の感性やアイデアが重要であり、単純なルールに基づく自動化では対応できません。
対人関係が重要な業務
営業活動やカスタマーサポートなど、人との関係構築が重要な業務もRPAには向いていません。
これらの業務は、感情の理解や共感が必要であり、現在の技術ではRPAでは対応が難しいです。
まとめ
RPAは多くの業務を効率化する強力なツールですが、すべての業務に適しているわけではありません。
高度な判断が必要な業務、頻繁に変更される業務、データが不整合や非構造化の業務、創造性が求められる業務、対人関係が重要な業務などは、RPAの導入を慎重に検討する必要があります。
このことが、理解できているようで、いざRPAの導入に向けて進みだすとツールの内容や料金ばかり考えてしまい、本当に導入が必要かという検討に戻ることができないものです。
導入を決定する前に、ツールの提供企業とは別の第三者に相談してみると冷静になれていい結果に結びつくでしょう。